前回はホームページ制作の依頼先、特に中小制作会社と個人事業主との違いを話させて頂きましたが、その依頼先選定方法のひとつとして、Google検索でも上位に表示されることの多い、いわゆるクラウドソーシングサイト、またはマッチングサイトとも呼ばれるサービスについてお話ししましょう。
クラウドソーシングとは、企業や個人がネットを通じて業務を発注する仕組みを指します。ここにはホームページ制作以外にも様々な技術やスキルの提供者が登録しており、いろいろなシーンで必要な業務の外注を依頼する事が出来ます。有名なところでは、TVCMもやっています『ココナラ』をはじめ、『ランサーズ』『クワウドワークス』などがあります。
これらサービスのメリット、デメリットは次の様なものがあります
多くのクリエイターが登録しており、価格競争が起きているため、通常の相場よりも安価に発注できる傾向があります。「5万円でHP作ります」といった格安パッケージも多数見つかります。
過去の利用者の「口コミ(評価)」や「受注件数」、「ポートフォリオ(過去の作品)」がプロフィール画面で見られるため、実力をある程度事前に判断できます。
直接取引で一番怖い「お金を振り込んだのに連絡が取れなくなった」という事態を防げます。サイト側が納品完了まで代金を預かるシステム(エスクロー/仮払い)があるため、金銭的なトラブルは起きにくいです。
「WixやShopifyでの構築だけ頼みたい」「特定のデザインテイストが得意な人」など、条件を絞って検索・募集ができるため、ピンポイントなスキルを持つ人と出会えます。
誰でも登録できるため、プロだけでなく「スクールで勉強中の学生」や「副業の初心者」もいます。「安かろう悪かろう」(テンプレートに当てはめただけで、崩れているなど)になるリスクが直接依頼よりも高いです。
対面での打ち合わせがない(チャットのみが多い)ため、「こういうサイトを作りたい」という要件を、文章で的確に伝える必要があります。指示が曖昧だと、思っていたものと違うものが納品されます。
システム利用料(発注金額の5〜20%程度)が上乗せされる、または提示金額に含まれているため、クリエイターの手取りは意外と少なく、モチベーションに影響することがあります。
基本的に「納品して終わり」の単発契約(スポット契約)が前提です。半年後に修正したい場合、その人がすでに辞めていたり、別料金になったりすることが多く、長期的な保守パートナーにはなりにくい側面があります。
私としては、ホームページを作るのであればぜひK-FRONT FACTORYへと言いたいのがホンネではありますが、
これらサービスのメリットがデメリットを越え、お客様にとって一番都合にあったものであれば、ご利用を否定するものではありません。
ただ、私自身一度これらの発注側、受注側共に登録し取り引きを行った経験がある身として改めて次の4つの注意点をお伝えします。
同業の登録者がひしめき合っているために、どうしても価格競争になり低くなり過ぎる傾向が強いです。 これは依頼者側からすれば願ったり叶ったりだとは思いますが、受注側からすると成約前の提案対応の回数は多い割に、成約に至らないケースが多いので、労働コスト面からみて非常に効率が悪く、儲かる仕事にはなりにくい面があります。それがモチベーションの低下につながり、結果的には料金並みの成果物になってしまう恐れに繫がります。
前述の状況からホームページ制作を生業としている者にとって、収入より手間の方が多くなるこれらサービスは積極的な利用にははなりにくく、デザイン学校の学生や一定のスキルを身に付けた人が副業的に小遣い稼ぎとして登録している人がかなり多いと思われます。バリバリの経験者もいれば始めたばかりの人も同じ様に登録しているので、成果物のクオリティに差が出やすいです。
これらサービスは、サービスシステムの中での商談、提案、制作物納品、支払いを完結させることで、運営会社の儲けを得ています。ですので、この手のマッチングサイトの場合は、依頼者、受注者双方の電話番号やメールアドレスを交換してはいけない事になっています。ここで案件を見つけて、別の所で取り引きをされたらお金が入ってこないので当然の利用ルールですね。
システム上のメッセージのやり取りしか出来ない中で、どこまでお客様の要望をくみ取れるのか、制作者側からの提案がどの程度お客様に伝わるのかは私的には常々疑問が残ります。
店舗紹介サイトであれば実際に、店舗に赴き取扱商品や陳列方法、内装やディスプレイ、スタッフの動きなど様々な所から、そのお店のコンセプトや特徴をどの様にホームページで訴求するか検討、提案すべきと考える私にとっては、マッチングサイト上のメッセージのやり取りだけでは自信を持った制作物は生み出せそうにありません。
お互いの直接連絡先の公開を非公開する前提ですから、完成後のホームページ運用や更新管理について気軽に連絡を取るという事も出来ません。 ホームページ運営は公開後の保守メンテナンスも一定程度は必要なものです。 安くて納得出来るものが出来たとしても、その後に不安が残りませんか?
時代のニーズに合わせた便利なサービスではありますが、運営システム内で完結させなければならないというある種の足かせがあるのも否定できません。
ですので、もし利用する場合は制作者に丸投げでは絶対駄目です。
サーバー、ドメイン確保から、サイト構成から全体のデザインイメージ、採用機能、ターゲット層などシッカリとした構想をお客様ご自身で明確にしておく事が大切です。
また同時に制作後の保守に関してご自身で対応出来るだけのPC操作スキルの取得も必要になろうかと思います。
もし、これらにご不安があるのでしたら、K-FRONT FACTORYはじめ個人事業主の制作業者か制作会社を頼りにして頂いた方が、長い目で見た場合には安心だと思います。
次回は最近多くなったSNSのホームページ代用についてお話ししましょうか。
