ホームページ公開に興味を持たれた方からよく聞かれるのが、『ホームページって幾らぐらいするの?』です。
始めてホームページを作ろうという方にとっては、一番気になるところですが見当すら付かないといった感じでしょうね。
例えば、5ページ以内の構成で見ても、あるところでは1万円を切るような金額で出ているし、あるところでは10万円位だったり、またある業者では30万円。更に40万円位のところもあるし・・・・。私が一般の仕事をしていたらやはり一体幾らが妥当な金額なのか、どの業者が信用出来るのか悩みますね。

これが、いわゆる物販商品であれば、同じメーカーの物であそこは高い、あそこは安いと一目瞭然ですし、似た商品であっても大体こういう商品は幾ら位で、破格な値段が付いていればこれは中国製だなとか、高ければブランド品だからという様に、機能面での金額比較に加えて、それなりの理由も大体察する事が出来ますよね。

ですが、元々物理的な形がないホームページをはじめとするデザインの分野は、デザインというある意味主観的な要素もありますし、機能面で言えば例えば同じ様にメールフォーム込みとなっていてもどの程度のメールフォームなのかは、具体的な相談段階にならなけらば示されないので、この金額で一体どこまでの物が出来上がるのか分かりにくい事は否めません。
サンプルサイトなどがあって、まったくこれと同じものが幾らという事であれば、分かりやすいと思いますが、ホームページの場合はご依頼者の業種やご要望で、細部がかなり変わって来ますのでひな形を示して、これで幾らと言い切る事が難しいのも事実です。

とは言え、やはり大体幾らするのかは知っておきたい。

そこで、今回はホームページ制作の料金についてお話しをします。

一般的にホームページ制作に伴う費目は次の様なものが考えられます。

  • お打ち合わせ料
  • 企画構成料
  • サイトデザイン料(トップページ、下層ページそれぞれに掛かります)
  • 実際にホームページとして表示させる為のHTMLコーディング料(ページ数で計算されることが多いです)
  • メールフォームやCMSなどプログラム設置関連費用
  • お客様との連絡など含めた全体の進捗内容を管理するディレクション料
  • プロデュース料
  • ロゴやイラストの画像作成費用
  • 写真素材などの画像加工費用
  • 掲載写真などの素材費用
  • 掲載文章のライティング費用やお客様から頂いた文字原稿のリライト(校正)費用
  • サイトに動きを与える場合などは、動作スクリプト設置料
  • 独自のサイト管理機能を持たせる場合などのシステム開発料
  • ホームページの表札になるドメイン費用と入れ物になるサーバー利用料
  • 納品後に継続的に掛かるサイト管理費

これらの合算が制作費用の総額となります。

概ねどこの業者もこれらがベースとなっていると思いますが、各業者で金額が異なるのは、これらそれぞれの設定単価の違いや、計上をしない費目があったりで差が出てくるという事になります。
単価に付いて言えば、私の様な個人事業と会社組織になっている法人事業者で大きく変わります。
法人の場合は、少なからず複数人で業務に当たりその役割はお打ち合わせ窓口になる営業担当から始まりプロデューサー、ディレクター、デザイナー、コーダー、システムエンジニア、ライター、イラストレーターなど様々な部署があり、その人達の給料分も回収しなければなりませんので、おのずと制作費用が高くなって来ます。
会社家賃や光熱費、上記の様な複数人の人件費、会社の純利益まで考えたら案件数も数多く必要ですが、闇雲に多くても回せきれませんから、ある程度の見込み案件数から必要な制作単価を導くと1件当たりの制作費用はある程度高く設定しなければ会社として成り立ちませんよね。

対して私の様な個人事業あるいはフリーランスの立場となると、人件費はほぼ自分の分だけか、他にスタッフがいたとしても2~3名程度の規模ですから、お打合せの営業担当やプロデューサー、ディレクター、デザイナーやコーダーもライターも兼任します。
つまり必要最低限の人件費分で事業を回すので、1案件当たりの単価も法人より低く設定が可能となり、それが結果的に先述の各作業費用の単価も低く設定出来るのです。

ここでひとつご注意頂きたい点として、私の様な【個人事業】と打ち出ししている業者と【フリーランス】と言っている制作業者との違いについてお話しをさせて頂きます。
会社などの社員にはならず、自分自身で業務を請け負うという点で個人事業主もフリーランスも同じ括りになりますが、このふたつの違いは税務署に事業の開業届を出しているか否かの違いとなります。
私は制作会社などには属していないのでフリーランスとも言えますが、開業届を出していますので正確には個人事業主という事になります。

ホームページ費用の話に戻しますと、この個人事業とフリーランスの提示する費用にも違いが出て来る場合があるという事です。
個人事業者の場合は、青色確定申告を行いますので、計上売上や経費などしっかりと経理管理をしなければなりません。フリーランスの場合は、組織に属さずひとりでやっていると言う意味ですので、それが生業としてやっていても、副業、もっと言えば趣味特技を活かしての小遣い稼ぎでやっていてもフリーランスのWEBデザイナーと名乗れるわけです。
もちろん、センスやスキルが高く法人業者との業務提携をしたり大型案件のプロジェクトに参加をして大手企業のホームページ制作などに関わっている方も沢山います。
半面、フリーランスと名乗る中には、デザイン学校を出て一応のスキルを持っている若い方も多い様で、それはそれで学校で学んで来ているのでまだ安心も出来ますが、例えば趣味程度でホームページを作った事があるから、小遣い稼ぎでやってみようかとか、誰でもホームページが簡単に作れるというネットサービスで作った経験があるからやっているという人達も少なからずいるという事です。(これはフリーランスに限らず、個人事業者でもいなとは言えませんが・・・。)

仕事としてホームページ制作のご依頼を受けるという事は、単に見栄え体裁だけ作れば良いというものではないと私は考えています。そこではお客様の意図を正確に理解し、出来ること出来ないことを明確にしながらきちんとコミュニケーションを図りディスカッションする技術やホームページを見て貰いたいターゲットとなるエンドユーザーの視点、トレンド動向も把握し理解してお客様にご提案が出来る素養が求められると思います。

フリーランスは駄目と言うつもりは全くありません。ただ気軽に使える肩書きでもあるので、中には制作全般に渡る必要なスキルが不足している人もいるという点で、単に見かけの料金が安いからという事でご依頼をされないようにして頂ければと思っています。

さて、長くなってしまいましたが結局相場は幾らなんだ?という事ですが・・・(汗)
大体以下の様な金額が2021年時点での相場感かと思います。
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【制作内容:TOPページ+下層4ページ+メールフォームの場合】

・法人業者 約40万円~50万円
・個人事業 約20万円~30万円
・フリーランス 3万円程度~
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概ねこんな感じではないでしょうか。
もちろん、スマホ対応にしたり、お客様が更新出来る様にしたり、サイトに動きを与えるプログラムを入れたりすればその分金額は増してきます。

  

最後にもう一点付け加えさせて下さい。

主に法人業者になると思いますが、『初期費用は1万円または0円で月々5000円(など非常に安い金額表示)でホームページを作ります!』と大きく謳っているサイトを見かけます。
一見して月々5000円は安い!!と飛びつきたくなると思いますが、その契約期間や支払い方法をよく確認して下さい。少し前の携帯電話の様ないわゆる何年縛りという感じで5000円×36ヵ月や48ヵ月となっていれば、支払総額は18万円~24万円という事になりますよね。
月々1万円であれば36万円~48万円です。
楽に分割払いが出来るという点では魅力的だと思います。出来上がりのホームページが、お客様のご納得出来るものであれば何の問題もありません。しかし万が一、納得出来ないものを納品されても、その契約書を交わしてしまったのなら払い続けなければならないという事になります。

私の友人で相手は地元の業者の様でしたが実際にこの様な事例になったケースがあります。そのホームページは、見る人が見ればひと目でひな形を使っていると分かる様な物で、デザインも店舗や取扱い商品の雰囲気やイメージを訴求出来る様なカスタマイズは全くしておらず、屋号など決まった文字部分を差し替え、写真も画角や大きさを考える事なく、雰囲気ゼロな写真をそのまま貼り付けているだけのずさんな物でした。
契約特典としてiPadが付いて来たと言う事ですが、その人が求めていたのはiPadではなくホームページです。その後、納得いかない部分の修正を依頼してもなんだかんだと作業は進まず、結局は胸を張ってそのホームページを公開することも出来ないまま、その後4年に渡り月々の支払いだけはして行くことになりました。

公開後にどうしても納得いかなくもし途中でキャンセルが出来るとしても、キャンセルをすればホームページはその時点で閉鎖させられてしまいます。
クレジット会社を通しての分割払いとなれば、最悪は作った業者に連絡が付かなくなってしまっても、決済代行をしたクレジット会社への支払いは続けなければなりません。

この様な打ち出し方をする業者全部が怪しいとは言いません。ただどの様な形態の業者であれ、ホームページ上やテレアポで持ちかけられる見せかけの低料金に飛びつくことなく、その業者に依頼した場合どの様なホームページが出来上がるのか、支払いを続けているいる間はどの様なところまで面倒を見てくれるのかなど、しっかりと確認をした上でご依頼ご契約するようにして頂ければと思います。